クラウドソーシングでチラシをつくってみた

本研究会では研究会独自のチラシを作成しています。

 

このチラシのデザインは「クラウドソーシング」を通して依頼したものです。

 

本稿では我々が今回クラウドソーシングを利用したことで得られたノウハウ、

利用してみての気づき、診断士としてクラウドソーシングを利用したい顧客へ

どのような助言ができるかについてまとめました。

 

クラウドソーシングとは 

クラウドソーシングとは発注者がインターネット上のウェブサイトで

受注者を公募し、仕事を発注することができる仕組みで、

「群衆(crowd)にアウトソーシング(outsourcing)」が語源と言われています。

 

クラウドソーシングの国内市場規模は、

2017年度に1,474億円になるという予測がされており、

中小企業におけるリソース確保手段の1つになることが期待されています。

 

発注可能な仕事は企業のホームページの作成、デザインなど多岐にわたります。

 

クラウドソーシングの利用の流れ

 <割愛>

 

中小企業診断士としての関与の可能性

我々のクライアントがクラウドソーシングを利用する際、

中小企業診断士として、どのようなアドバイスができるのかについて

利用経験を踏まえまとめました。

 

①募集要件の作成支援

基本的にWebベースでのやりとりとなるため、いかに正確に要件を伝えるかが重要です。

 

これは、「要件の引き出し」と「文書化」の2つからなります。

 

「要件の引き出し」については、記載事項の整理・チェックをいかに行うかが重要です。

今回のチラシの例では、意外にも、研究会の会費や開催場所など基本事項ほど見落とす

傾向にありました。いかに必要事項が漏れないようにチェックするかが問われます。

 

伝えたいことの優先順位により、デザイン上の強調部分も変わってきます。

必要事項を盛り込むだけではなく、何を一番訴えたいかという重みづけを行うことも

求められます。

 

また、クラウドソーシングサイトは常時多くの公募であふれているため、

提案者の目に付きやすくするための文書化の工夫が必要となります。

 

今回、応募者に最後にヒアリングを行ったところ、

「イメージが湧かないような記載の案件」や「長々と文章で書かれただけの案件」には

手を出しづらい、という意見が得られました。

 

いかに多くの提案者に手を挙げてもらいやすい文書にするか、という工夫も必要です。

今回は、募集要項のタイトルはあえて提案者の聞きなれないであろう「診断士の研究会」

というタイトルにせず「社会人向けの勉強会」とし、提案者の心理的障壁を下げるような

工夫をしました。

 

②採用判断基準の作成支援

実際に応募作品を目にしてしまうと、見た目に惑わされしまい、

最適なものを選定できない可能性があります。

そこであらかじめ評価基準を作成しておくことで客観的な評価が可能となります。

 

今回は必須記載項目があるかという最低条件を満たしていることの確認と、

字の大きさやロゴの有無といったデザイン面での評価の2面から採用作品を決定しました。

 

まとめ

2014年度の中小企業白書では、発注者側のクラウドソーシング利用のメリットとして、

「必要なときのみ発注可能」、「質の高い成果物」などがあげられています。

一方で課題としては、「仕事の質が不安定」、「受注者との意思疎通が難しい」

などがあげられています。

 

我々中小企業診断士は、クラウドソーシングのメリット、デメリットを把握した上で、

クライアントが安全に活用できるようサポートすることが求められるのではないでしょうか。